
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
第9回 ベンチャー成長手段「TLO」
2000年02月22日
スタンフォード大学の学生だったジェリー・ヤンとデビッド・ファイロは大学で開発したインターネット検索サイトを民間の企業とコラボレーションし、ヤフーという会社を創業した。世界一の富豪といわれるビルゲイツもハーバード大学時代にBASICの開発に没頭し、ポール・アレンと二人で今日のマイクロソフトを創業した。サンマイクロシステムズのSunは太陽とよく間違われるらしいが、スタンフォードユニバーシティの略であり、産学協同で会社を設立した会社である。また、イリノイ大学のマーク・アンドリーセンは「ブラウザ」というネット検索閲覧ソフトというアイディアを思いつき、ベンチャーキャピタリストと共に、ネットスケープを起業した。米国を代表するベンチャー企業の多くは、こういった実例に見られるように、大学で生まれた技術をもとに起業している。
アメリカでは、大学と民間企業のネットが強く、TLO(技術移転機関)の仕組みによってこれまで多くのベンチャー企業が80年代以降創出されている。
TLOは大学全体の研究成果と企業のニーズを結び、新しい競争力と生命力のある商品を創り出している。企業の自社内における研究開発は時間・コスト・社内ルール・風土といった限られた制約の中で行うだけに、新しい発見や技術を創造されるケースは極めて少ない。一方、大学の研究者や学生にとっては、自分の興味のあるテーマを恵まれた環境の中で開発することができる。企業のニーズに向き合った開発であればなおのこと、新規事業創出の原動力となり、実業につながる大きなパワーとなる。特許はベンチャー企業にとって競争社会の中で力強く生き抜く大きなファクターである。米国のベンチャーに共通している強みは、特許を所有していることだ。
現在日本においても24万~25万人の研究者が大学におり、研究資金の20%が使われている。残念ながらこのリソースがこれまで起業に使われることなく成果に結びつくことは少なかった。今後、インキュベーターなどを通じ、市場性ある技術をTLOによって新たなバリューを創出してゆく企業が日本の代表的ベンチャーとなるだろう。

投稿者: 吉井 日時: 16:55 | パーマリンク
第8回 「ドリーム・クラッシュ」?
2000年02月02日
過日ベテランの人材紹介会社のカウンセラーの方から、「ドリーム・クラッシュ」という言葉を伺った。転職相談の第一ステップは、「彼らが夢みたいなことを言っている幻想を砕かないと、紹介は成立しにくい」とのことであった。確かにそういう一面も必要なのかもしれないが、「夢をかたちに」をテーマに、キャリアデザインを考え自らの価値を高め、自己実現をしてゆくといった、当社ポリシーとは、まったく違ったアプローチだけに、戸惑いを感じた。
人は何の為に仕事をするのだろうか。生活の為もあるが、夢を食べたいから頑張れる。人に認められたいから頑張れる。人の役に立ちたいから…モチベーションの源泉はここにあると私は思う。
以前、共に仕事をしていた会社の同期のT君は、営業職の時代が長く、業績はそこそこだったが、地味な存在だった。一つのことをずっと夢見ており、よく人から幻想を求めるのはやめろと言われていた。6年程前、突然ハードな営業で有名な「通信販売会社の新規の会社が立ち上がるので、そこへ転職する」と言い出した。誰もが「お前には無理だ、やめろ」と…本人は、夢を実現するにはこのチャンスしかないと、まったくブレることなく、会社を変えてしまった。その後、音信不通だったが、先日新聞で彼の名前を見つけた。新たな通信技術を使って業界を変えた会社役員として、さわやかな笑顔のT君だった。成功の要因は、彼が夢を追いつづけた結果という内容の記事だった。
2000年2月20日、伝説の男長嶋茂雄の「背番号3の時代」というビデオが発売される。この企画プロデューサーS君は、かつて共に仕事をした部下だった。
彼は、営業マンをやりながら、アメフトの選手でもあり、目立った選手、トップ営業マンということでもなかった。
ただ一つ、入社以来ずっと10数年、会社へスポーツビジネスに関する提案をしつづけた。その度に「事業領域」が違うので無理だと、実現には至らなかった。しかし、彼は14回駄目でも、更度「長嶋茂雄」という20世紀の大ヒーローをコンテンツにした企画をプレゼンテーションし、見事、経営とのコンセンサスを得、商品化して売り出そうとしている。
夢は叶うということ、叶えるからこそ夢というものがある。夢を抱くから、機会が創れる。チャンスの神が見えるのは、夢を持った人だから見える。追い求めつづければ、機会の窓(WOOS)が、ポッカリ大きく開かれる。

投稿者: 吉井 日時: 16:54 | パーマリンク