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月別過去ログ
プロフィール

吉井 信隆(よしい のぶたか)

インターウォーズ株式会社 代表取締役

大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。

現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事

第18回 インキュベーションWORKS

2000年07月15日

昨今いたるところでインキュベーションが語られているが、インキュベーション概念・論は、体系的、既存研究の少なさから答えはない。しかし、私共のこれまでの活動を通じ現状の成果から感じていることを、今回のコラムは参考まで申し上げたい。

 インターウォーズでは、起業家とそれをサポートするネットワーク個々の主体が、ゆらぎながら方向性を進化論的に探っていく形態をとり、インキュベーションプロデュースをおこなっている。このメンバーはインターウォーズの社員だけでなく様々な立場の、メンバーで1つ1つのチームによって構成される。 インターウォーズのプラットホームでは、人的ネットワークは、気が合うからお互い自由に集うのであり、好き嫌いが出てもいっこうにかまわないというルールでマネージメントしている。人と人とのつながりの輪を広げていると、誰が,どの領域に強いか、とかが自然にわかってくる。つまり、目的に応じてどの人がキー・マン(ウーマン)となるのかが固有名詞で思い浮かぶようになってくるのである。インパーソナル対パーソナルという次元をなす。進化論的でパーソナルなネットワーク状の相互依存関係は、対等どうしの触れ合いとしての関係を維持しやすい。充分、ベンチャー起業者の自助(セルフ・ヘルプ)精神とも両立しやすいものとなって、育っている。

 インターネット等による、情報の形式的なやりとりや検索は容易になったが、しかし、ある種の情報は対面(フェイス・トゥ・フェイスの)接触でなければ流れないし、人と人とが直接接触している間に、見慣れて情報にも意味が生まれたりすることがある。

 インターウォーズを特徴付ける鍵概念はネットワーキングによるヒューマンリソースを生かしたものであり、インキュベータにとっての基本は、人の往来のないところに、情報資源の往来はないという、命題であり、立ち上げに関わったメンバーが、そのまま起業に参加してゆく(インターンシップによる人材紹介)、人の移動を伴なうことが、成功要因ととらえ、実践している。人が開放されるところに、創造エネルギーが生まれ、独自のソフトを作り出すものとなる。

 米国で研究生導型大学付随のインキュベータが成功しやすいのは、大学の人間が起業家になったり、起業人が大学の研究者として戻ったりできるからである。また、ベンチャーキャピタルなどは、人材の派遣、斡旋等を、行いマネーと人とアライアンスなどの、コーディネィトも行っている。インターウォーズでは、ビジネスモデル開発のサポート、人材紹介、出資を、基本対応としているが、IWは、何でも自前という、スタンスはなく、起業の計画を実現していくには大きな資源が必要な場合、大手の企業とアライアンスを組むといった方法をよく取る。
シリコンバレーやボストンなど見られるインキュベートの手法でもる。

 また、協賛組織に、会計事務所、ベンチャー・キャピタリスト、技術問題と会社設立に強い法律事務所、技術がらみの経営コンサルティング会社(ADL)なども、ケースによっては、メンバーとして関わることも多い。
「必要なものは、日光、と、肥料」と考えている。

■ IWは、なぜワークが形になるのか。

 ファイナンスだけに頼ることなく、理念を持った新しい生き方を求め、絶えずネットワークづくりに時間投入してきたリーダーが中核におり、理念に共感した世話役大好き人間集団だからである。特別な大きなファンドがあるわけでもなく、あるのは人と人との独自のネットワークでつながり、固有名詞で互いに顔の思い浮かぶ人々から成る起業支援ネットワークを有し、転職希望者の願望を出来る限り、取り入れインキュベーションのファクターにしているからだ。

 わが国でのインキュベータをめぐる議論や実践は、ハードやファイナンスによる、計画主導モードのものが多いが、進化的モードがインターウォーズのこれまでの活動と実績から生み出した独自のインキュベーション概念である。今後は、企業に参加してみたい、覗いてみたい、あてがわれたきゃリアでなく自分で自分をプロでユースし、自己実現をしたいといった方々を応援してゆきたい。

投稿者: 吉井 日時: 17:08 | パーマリンク

第17回 「社外取締役・アウトサイド・ボード・メンバー」

2000年07月01日

本来、取締役とは、株主の任を受け、経営を監視するという機能を担うことが、役回りである。しかし、日本の取締役会は現場の利益代表者で構成されているといった現状にある。

インキュベーターという役回り上、数社の社外取締役に就任している。各社の取締役会は年に10回位開催される。外資の企業では、ボード・メンバー(取締役)が社外の人間なのか社内の人間なのかという意識はなく、同じ経営の一員としてゴールを目指すのに内も外もなく同士、といった感覚である。

 本来、商法上は社外取締役などという定義はなく、ボードは株主利益の代表として責任を果たす役割があり、時には、株主代表訴訟によって訴訟を受ける対象にもなる。

 アメリカでは取締役会が株主の意向を受け、CEO以下経営陣(オフィサー=執行役員)を監督する立場に徹している。ボードは株主の利害代表者であり、オフィサーは経営の実行部隊である。一方、日本では、多くの企業の取締役会において、ボードとオフィサー、 監督者と実行者が同一人物のことが多い。

 取締役と執行役員では、本来役割が違うにもかかわらず、日本では執行の現場長職を手放さずに役員になるという人がきわめて多い。意識の転換、各位のコンセンサスなしに取締役になってしまうからか、様々な矛盾が生じ、部下や自身の不祥事を、株主や社会に対して隠してしまい、しいては、大きなミスをおかしてしまう、最近の雪印乳業などの事件背景などには、こういったことがいえるように思える。

社外取締役、7つの仕事

 アメリカにおける社外取締役の主な役割は ①CEOに対する相談役 ②世間の常識の伝授(Y2K、ERP、環境問題など)、③危機管理、④人事評価、⑤給与レベル/役員賞与、⑥企業の社会的責任、⑦戦略方向の確認、承認 などがある。

CEOという役割の人は、社内に相談役がいない。入ってくる情報は圧倒的に社内や業界であり、しかもフィルターのかかった情報が入ってくる。CEOは会社の中に世界があるため、外の社会の常識を知らない。成功した創業経営者ほどその傾向が強い。自分で世界をつくって成功した分、自分の判断が常識ですべて正しいと思ってしまう。社内にはその世界を信じているイエスマンしかいなく、そういった人しか残らないことが多い。

ボードはトップに対して、積極的にアドバイスしなければならなく、取締役会がフルに機能する瞬間とは、トップを含めた執行役員側が正常に機能してないとき、「いざというとき」の役割がある。

 最近、米国では、多様化する経営問題に対応すべく、取締役会はいくつかの分科会に分かれ、財務委員会、人事委員会、監査委員会……といったテーマによって別途設けられ運営されている。取締役は、ルーチンワークに時間を取られてしまうが、ルーチンワークをなおざりにすると「役員は何をやっていた」と株主代表訴訟で攻撃される。本当に戦略的なことを自由闊達に議論しようとすると、従来のボードでは不可能になってきている。

時間面ではルーチンワークによって制約を受け、メンバー構成ではバランスという制約を受ける。その中で自由闊達な戦略を存分に語り合うことは非常に難しい。

そこで出てきた考え方が「アドバイザリー・ボード」である。商法上のボードとは別に、CEOの相談役としての機能、戦略専門のボードをつくるという考え方だ。ソニーをはじめとするトップ企業で、今実行しはじめている。現在私共のインキュベーションコンサルタントメンバーは、実質的に各社のアドバイザリー・ボードとして経営をサポートしている。インキュベーションコンサルは、基本的に策定を創ることでなく、壁として確認する役回りの方が、価値ある機能を発揮することができる。また、目的は、報酬になく、事業成功にあり、その結果、株価や売上のロイヤリティーにおいている。

形だけの、社外役員でなく、流行でない本質の役割を明確にした社会と対応したボードが、経営を強く、継続発展事業を創る。

投稿者: 吉井 日時: 17:07 | パーマリンク