
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
第34回 「お気に入り」
2001年03月15日
過日、ネットサーフィンで気に入ったサイトを「お気に入り」に登録した際、ずいぶん使っていない登録サイトに気が付いた。私はeコマースサイトでよく本を買う。1年前に利用していたサイトは今ではほとんど使うことはなく、最近見つけた安くて早いサイトを利用している。配達料無料、翌日宅配で、実に便利だ。以前使っていたサイト運営会社に対して、忠誠心も変更するコストもゼロ。1ユーザーとして感じることは、インターネットの世界は先行していることが大切だと多くの評論家は言うが、そんなことはない。
同じ物をディスカウントしているまともなサイトであれば、そちらに行ってしまう。「お気に入り」をクイックするだけでいい。マラソンと違い、ネットの世界はパワーある会社が登場しディスカウントしたら、一夜にして顧客が奪われてしまう。体力勝負のフィールドに入ってきた。
昨年、アメリカで4月に起きた“ドットコム・クラッシュ”以降、ネットビジネス株式市場は、冷え切っている。ベンチャーキャピタルは、最初に飛び出したドットコム企業には投資したが、どんどん首位が変わり収益のモデルが見えてこないのでほとんど出さない状況下にある。最近の日本にもその兆候は見え始め、昨今の株価や投資家達は、ドットコム系は右に習えのように金を出さない。
しかし、インフラはますます整備され40%近くがアクセスされつつある環境下の中で、必ず大きな変化が出てくると思う。
久々にチャンスの神様の到来であると、私には見える。
今ほとんどの人がネットには慎重になっている。また、打ち上げ花火のようなネットベンチャーが息切れして気力を失ってきている。
時には、この事業を「誰かやって下さい」といった内容の話が多くなってきた。
要するに現状は、インターネットビジネスで、本当の意味での安定して儲かるモデルを見つけた人は、まだ誰もいない。お金を払って見たい情報、サービス単独の会社は、ほとんど育っていなく、既存事業の広報、マーケティングであったり、ブランドのある商品、貴重品を安くかえるサイトに、人が集まっている。
「お気に入り」に登録されるサイトの出現が、いよいよ求められ始めた。

投稿者: 吉井 日時: 17:21 | パーマリンク
第33回 企てを書くことから…
2001年03月01日
「ワンハンドレッドデイズ」という言葉を聞いたことはあるだろうか?
「どんな新規プロジェクトでも、最初の100日間で明確な形を出せ」ということである。変化が激しく先の読めない時代の中で、短期間にスピーディーに結果を出さなくては次に進まない。
そのためには具体的に、まずはアクションを起こすことだ。机の上で迷い考えることはやめて、行動を起こさなければ何も始まらない。取りあえず、稚拙なまとめ方でもいいから、アイディアを企画書にして信頼のおける回り人達に思いを語ってみることをお勧めしたい。そして、発見した目線やアイディアをどんどん取り入れてまとめていけばいい。自分の考え、コンセプトに固執していると、それ以外の選択肢を見ることができなくなることが多い。時々目にする事業計画書に、見た目は美しいがコンテンツが薄く、方向が定まっていない一人よがりのお絵かき企画書が多い。
人の心に届く企画書には、時間の隔たりがあり、多面的に検討された多くの人の声が聞こえてくる。
たかが企画書、されど企画書。
時には、世の中を震撼させるきっかけを創りだし、大きな事業を生み出す。
私は、年間200件近い企画書に出会い、判断した案件を起業家と共に事業インキュベーションしてゆく。いい企画書に出会った日は余韻が残り、一目ぼれした女性に会ったようなときめきを感じてしまう。 そして、思考の中にストーリーが生まれ、コンセプトを表現するシーンが見えてくる。
結果として勝者となった挑戦者たちは、日々の仕事の中で抱いたビジネスアイディアに対して「アクションを起こさなければならない」ことに自ら気づき、思いを企画書に描いた人達である。アクションを起こせなくしている心のブレーキを取り払い、「気づきの第一歩を企画書に落とし込んだ」のである。
アントレプレナー達は、あてがいぶちのレールでなく自分の意志で動き始める。
「気づき」は、目から鱗が落ちる瞬間でもある。しかし、「気づき」の瞬間を手に入れるのも、それに伴ってアクションの第一歩として事業企画をまとめるのも、要は、自分の思いにかける意志の強さにある。そして、多様な人と論議するアクティブな行動は、起業におけるプラン構築には必要不可欠な手段である。
自己の夢や思いを形にする為の第一歩のアクションは、企てをしたためることからスタートする。

投稿者: 吉井 日時: 17:20 | パーマリンク