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月別過去ログ
プロフィール

吉井 信隆(よしい のぶたか)

インターウォーズ株式会社 代表取締役

大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。

現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事

第44回 カオスの人間卿から・・

2001年08月16日

過去一年間に活躍した、ベンチャー企業経営者を対象にした「2001年・年間優秀企業経営者賞大賞」に、プラスの今泉社長が選ばれた。オフィスに文具を届ける「アスクル」を独立する育て方の起業手段が、選ばれた要因とのこと。
過日、今泉社長が主催している会で、社内インキュベーションについて、お話をさせていただいた。今年3月、当社の出島を卒業し銀座で「おむすびの十石」の社長としてスタートした葉葺君の紹介をすると、「あなたのインキュベーションの実践は、アスクルに通じる」という言葉を頂いた。「アスクル」の立ち上げは、当社の推奨し実践している「出島」によるインキュベーションがモデルとなったケースともいえる。

先日、出島卒業生の葉葺社長が、新しく参加した27才のパートナーと共に当社に訪れた。 「今年の夏は猛暑で30度を超すと、おにぎりの売上げがダウンする。また5円のコストダウンを袋を・・」といった様々な観点から打ち出される彼の言葉は、すっかり経営者のものとなっていた。彼とは、昨年からの付き合いになる。何故か、運のいい男なのである。よく通常では考えられないような幸運に、恵まれることがある。当社の出島にいた期間は、半年ほどであった。この間出会った多くの人は、彼のファンとなり、「いい情報や案件を伝えて上げたくなってしまう」という声が印象に残っている。強烈なカリスマを発揮するタイプでなく、一人ひとりの中に内在している資源や情報を、さわやかに引き出す静かな起業家である。経営者には、「生みの親と育ての親」がいるといわれる。そういった意味では、バランスのいい企業内アントレプレナーである。

7月26日、日本マクドナルドが上場し、成長スピードに拍車がかかる勢いだ。藤田社長は、一兆円と豪語しておられるが、個人的には何処に言ってもマックのハンバーガーでは寂しすぎる。本来日本人は、米の食生活で育ってきた人種である。65円ハンバーガーの1人勝ちに、「お結びの銀座十石」が一石を投じるファーストフードとして、新たな市場を創生して欲しいと願っている。
創業時、葉葺君は社名を決める際、インターナショナルな名前にこだわった。その理由は、将来海外に進出したいということだった。「たかがおにぎり、されどおにぎり」で夢は大きくシンプルに勝負してゆきたいと。

 今日の元気のない日本の企業に一番必要なことは、社内からチャレンジする葉葺君のような起業人を一人でも多く創生することにあると思う。外から、本体にインパクトを与えるエネルギーは、自己変革をできない多くの企業に新たな活力を与える。
このところ大手企業の社内ベンチャーの仕組みに、変化が起こりつつあるが、社内育成方式がほとんどで、実態はなかなかうまくいっていない。大企業から本物のベンチャーが生まれてこない要因は、一言で言えばチャレンジしない風土、仕組みだからである。だから、そういった起業人が出てこないのである。本来、企業の持っているダイナミックな活力と成長力を取り戻すには、「アタッカー育成」にあり、その仕組みと風土をどう創るかにある。
その手段は、創発となる「場」出島を、創ることにある。起業マインドある元気なアスクルの岩田さんや十石の葉葺君のような人材を、外の、社内の風土と異質なカオスの様々なカテゴリーで集っている人間集団卿に送り出すことから、一歩が始まる。

投稿者: 吉井 日時: 17:29 | パーマリンク

第43回 歌舞伎と企業年齢

2001年08月01日

先日、東銀座で歌舞伎座の観劇を見た。常日頃感じることのない異質な時間と空間、着物姿のおしゃれな装いの彼女達、楽しそうな談話姿、若い世代の女性、立ち見の人達までいることに驚いた。
 日頃、訪れることのない歌舞伎世界に対して、自分の持っていた概念とイメージがみごとに崩れた。現在、これだけ様々な娯楽があるにも関わらず、歌舞伎が四百年以上も、人の心を魅了してきた「コア」は一体何なのだろうか?
 今のように情報メディアがない時代、世相を映す事件を基にしたコンテンツを、「歌舞伎にして、全国行脚するワイドショー」は、人々の暮らしの楽しみだったのかもしれない。また、役者の名前が、「何代目の團十郎」と語り告がれるヒーローは、どの時代にも存在している永遠の存在である。自分の親や祖父、祖母とも、共通の話が弾む話題となる。
 日本を代表する文化にまで育った歌舞伎は、先人の人々が時代の空気を感じ取り、それを表現する為に考え抜いた、知恵と努力の結晶とも思える。 帰る道すがら、歌舞伎の歴史に比べ、最近の打ち上げ花火のような、IT系の華々しいデビューを飾った多くのベンチャー企業は、何故こんなにも継続する力が弱いのだろうか?と思った。
四百年とまでいわないにしても、企業が継続発展してゆく条件は、何なのだろうか?
 人にも企業にも生まれた時から、年齢がある。企業年齢は、その「絶対年齢ではない」ということを、意外と気がついている経営者が少ない。事業には、生命サイクルがある。

 ホンダやソニーそして京セラの創業期、トップ達は、「永い年数をかけてでも、絶対にこれを創り確立する」と自分一代ではできないような百年の計を、自分の言葉で語っている。
 社会の中に永く受け入れられるには、当然、価値、レゾンデートルが求められる。これを確立してゆくには、自分の固定した会社への絶対年齢でなく、2010年、2020年から今を見つめるような目線で、「これだけは何が何でも創る」こだわりのコアを確立するこが、揺るぎない社会でのポジションを獲得することに思える。

あなたも、時には東銀座や浅草にいってみたらいかがでしょうか?
きっと、そこには何か発見があるはずです。・・
※歌舞伎のコラムを書いたので、親しくしているITプロデューサーが手がけたサイトを紹介します。

http://www.kabuki.ne.jp

投稿者: 吉井 日時: 17:28 | パーマリンク