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プロフィール

吉井 信隆(よしい のぶたか)

インターウォーズ株式会社 代表取締役

大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。

現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事

第74回 クライシスマネージメント

2004年02月01日

企業は、環境に適応しながら生きていく生き物である。外部環境の変化に適応できない企業は、やがて必ず衰退の一途をたどることになる。最近、BSEをはじめ、鳥インフルエンザ、鯉ヘルペスといった感染病の情報で外食産業に激震が走っている。マクドナルドの価格破壊戦略や国内の狂牛病騒動を乗り越え、デフレ経済の勝ち組みとして、外食産業の雄である吉野家ディー&シーにしてみれば、劇的な災難である。吉野家の安部社長とは、以前から面識があり、今回の米国狂牛病騒動は、私にとっても気になる事態として心痛い思いであったが、一連の報道がされた後の対応があまりにも早く、カレー丼をはじめとする多くの新メニュー提供や、オペレーション時間の変更等に、正直驚いた。話を伺ってみると、前回のBSE騒動の経験から、米国でも狂牛病が発生することを想定して、「危機管理マニュアルを作成していた」とのことであった。そのとき起こりうる、様々な事態を予測して、商品開発、仕入れルート開発、物流、オペレーション、人材ローテーション、IR、マネージメント体制、etcといった様々な内容のシナリオを議論して策定しており、社員の対応も迅速であったようだ。心配をさせまいとの配慮もあるのだと思うが、社長自身は、困難の時ほど気が入るとのことであった。 
しかし、米国産牛肉の輸入禁止は吉野家にとってみれば最悪のシナリオであり、経営者の手腕が問われるが、現場のアルバイターとして入社してから社長まで、異例の昇格を重ねて上りつめた『ヒーロー』として社員を始め、多くの人に親しまれている名経営者だけに、何とか危機を乗り越えて欲しく弊社メンバーも心から願っている。(皆でおいしい朝飯やカレー丼を・・)

吉野家の牛丼だけに限らず、他の会社にも多くの影響を及ぼした今回のアクシデントは、一業態でしかも商品を単品に絞った量販の業態経営の、危うさを露呈することになってしまった。 

今後の選択と集中企業経営のあり方を考えさせられる思いがする。

投稿者: 吉井 日時: 18:12 | パーマリンク