
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
第79回 「出島」
2004年07月01日
「前例がない。なんとなくリスクが、高いような気がする、難しいよ!」既存企業で、新事業を生み出そうとする時、提案者に対し、よく役員や責任者から、出てくる言葉である。オールドエコノミー企業における新規ビジネス会話は、「否定」から始まることが多い。その部門の役員が決断を下す際、責任が付きまとうから、「NO」といっていた方が無難なのである。経営陣は、可能性のある芽を潰さない為に、もっと外を歩き柔らかい目で、答えが自分の中にあるのではなく、他人(ひと)の中か、街の中にしかない判断の目を養えることに気づいてもらいたい。
起業家の多くは、異能な狂人といわれる。こういった人材はなかなか、社内では育ちにくい。なぜなら、起業したことのない管理者が、新規事業の判断をするケースが多いからである。また、リスクを取りたがらなく、そういった人材を、排除したがる傾向にある。私は、そういった現状を避けるために、「出島インキュベーション」と称して、企業内アタッカーを社外に出し、プロセスで邪魔されない独立環境を創り、マーケット向いた事業開発をメソッドにして、起業支援を行っている。
企業内起業の第一歩は、個人が、強い意志を持って「こんなことをやりたい!!」と思うことからスタートする。そして、企業内で起業を試むには、まずはアイディアの種を、「誰に、何を、どのように・・」と夢を持って紙におとして見ることだ。種を育てるには、強烈な思いを持って、行動に移すことが肝要だ。答えはマーケットにあり、ネット検索、資料をよむ、本を集める、人に会って、聞きまくり、とにかくなんでもできることはやってみる。そして、体で感じて見ることである。そして、人に、自分の思いを、一枚の企画書にして、ぶつけてみることである。「これは、こうで無理だと・・そんなこといったってこれは、どうするの?」と、否定の連続トークが必ず出てくる。これは、貴重な情報であり、指摘に対し「では、こうしたら・・」の発想で、企画に一つひとつ落としてゆくと、英知が取り込まれ、生命を持つ事業企画案が出来上がる。そして、新規事業の意志決定責任者にプレゼンテーションし、コンセンサスを取ったら、役員の顔や声の届かない「出島」に出て、起業に望むことが企業内起業の成功に向けての一歩となる。
過去、プラスの岩田さんという方が、「アスクル」を・・、イトーヨーカ堂の社内アントレプレナーで鈴木さんが、「セブンイレブン」を・・富士通の稲葉さんが山梨で「ファナック」を起業し、日本を代表する素晴らしい企業を育てた。その背景に、共通して「出島」に出て起業したことを皆さんご存知だろうか?

投稿者: 吉井 日時: 18:15 | パーマリンク