
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
第83回 上海の情景
2004年11月01日
過日、久しぶりに会社のメンバー達と「上海」に行ってきた。東京汐留に新しくできた高層ビルを超えるようなガラスウォールのビル群が聳え立ち、数多くの工事中のインテリジェント高層ビルが目に入った。これまで中国は、世界の工場であり供給基地と云われ、ユニクロをはじめ、多くの日本企業が生産ラインをシフトしてきた。しかし、目に映る上海は、以前にも増して、ハイセンスな衣類をまとった人達が闊歩し、新しくできた新天地では、朝までやっているディスコを始め、様々なコンセプトの店には、パワー溢れる若者達で溢れていた。そして、最近オープンした、ドレッシングのピエトロが運営している洋麺屋に、若いカップルが賑わい、楽しげに語り合っているシーンを見ていると、まるで青山や六本木のレストランにいる感覚だった。
今、「消費する街上海」の姿を見ていると、最近の日本における鉄鋼関連株の高騰が示しているように、日本のビジネスモデル、工作機械、原材料、ロボット等と、供給先としての「お客様上海」へとシフトしてきていると感じる。
11月現在、通貨元は1元13円となっているが、ブルーワーカーの月給が2年前には8千円だったものから1万1千円に、ホワイトカラーの月給が、2万5千円から5万円に上がっており、ホワイトカラーの人件費は、この10年間でなんと「10倍」に上がってきている。ブルーとホワイトの格差が、年々大きく広がり、2重構造に拍車がかかって来ている。かつて、日本が歩んだインフレ期の乱気流に、上海は、入り始めていると思えた。人口100万都市が、160もあるといわれている中国。都市集合の国であり、一部の地方都市は、周りから栄養を取り込み成長し、暴走しているのかも知れない。こういった状況下で、これからの中国と付き合っていくには、160都市のそれぞれ状況の違う都市の「お客様」ニーズは、異なっていると認識しなければならない。そして今後、チャイナ特需の何に手を出し、何に手を出さないかの答えは、日本の1980年の後半から、1990年の時代が教えてくれる気がする。

投稿者: 吉井 日時: 18:18 | パーマリンク