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プロフィール

吉井 信隆(よしい のぶたか)

インターウォーズ株式会社 代表取締役

大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。

現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事

第84回 事業の必要条件とは

2004年12月01日

過日、起業を志す学生達に向けての講演会で、コムスンの創業者折口さんの話を聞く機会があった。「センターピンは、何か!」を見抜き、徹底追求することが事業を成功させる必要条件である。そして、ジュリアナ成功のセンターピンは、お立ち台でもなく、音楽でもなく、内装でもなく、「月曜日から店を満員にする」為に、ただでもいいから人を集めまくった仕掛けにあるとあまりにも自信を持って語り切った言語が、印象に残った。変化のスピードの速い今の時代、新たな事業を立ち上げていくには、構想に対し、軸足を定め、ポジションを明確にして、徹底して攻め込んでいく事が求められる。例えば、IT業界に例えるなら、「楽天」のようなショッピングモールを運営したいのか、その中で「幻の酒」という店を出して酒を売るのか、「価格COM」のように価格の情報比較サイトで展開したいのか、「NTT」のようにインフラを抑えたいのか。いったいどのポジションで、利益を確保するのか、自分の目指す事業の核となるものを絞って定義し、他の追随を許さない深さを徹底追求することが、成功の必要条件となる。特に、サイバー社会では、的を絞り、誰よりも速く、愚直にやり抜いていくことが求められる。

今年、9月9日、ジャスダック市場で、生鮮99円コンビニの99プラスが上場した。66万の公募に対し、初日145万という高値でスタートし、最近では200万台を維持し、時価総額600億となっている。そして現在、店舗総数は450店となり、来年は、いよいよ1千億の売上となる見通しである。6年前、中堅スーパーの企業内新規事業としてスタートし、今や流通業界において注目を浴びる会社になった。しかし、これまでのプロセスにおいては、グループ本体の経営が、多角化や拡大膨張によって危機を迎え、キョウデングループより支援を仰ぎ、以前の経営から切り離され、自立することによって、今日に至っている。 今日のビジネス環境は境界がなく、事業意欲旺盛な創業経営者は、ある程度の事業を育てると様々な事業意欲が出て、チャレンジしたくなる。しかし、現業の掘り下げが浅い状況下の基で新規事業を立ち上げて行くことは、機動性が失われ、そこには必ず競合が付け込んで、本体の経営が崩れてしまうケースが多い。99プラスの上場は、様々なことを示唆してくれている。先日、上場記念パーティで、会場に集まった人達に向かって社長の深堀さんが放ったスピーチは、「今、お茶、ヨーグルト、焼きそば、トマトジュースが、一日何本売れている。そして、これから、・・」と、現場の香りのするリアルな決意のこもった直球スピーチであった。
新たな事業を立ち上げ成功させるリーダー達は、センターに向かった核を定め、ポジションを明快にして経営に集中し、「何としてもやり抜く」気迫と、一つのことを掘り下げ、現場で輝く姿を見せてくれる。

投稿者: 吉井 日時: 18:20 | パーマリンク