
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
第88回 「新たな大陸」
2005年04月01日
1995年会社設立時、接続時間を意識しつつ、レスポンスの遅いインターネットでも、感動しながら活用していた。その頃、日本のインターネット環境は、世界一高いコスト・規制等により、アメリカや韓国に比べ遅れること8年、インターネット後進国と言われていた。
しかし、今日では、2000年を転機に、類の無いスピードで普及し、月額2800円で使い放題(世界平準より安い)、しかも、50メガビット(スピードはアメリカの100倍)と、わずか5年で、7千億市場と言われるブロードバンドインフラを有する国となった。10年前を思い出すと、現在のネットインフラ環境は、夢のような進化である。
その恩恵を受けている背景には、国の規制緩和により、ソフトバンクの孫さんや、イーアクセスの千本さん、有線ブロードネットワークスの宇野さんをはじめ、300社とも云われるベンチャースピリッツを持ったアントルプレナー達が、ブロードバンドマーケットに参加し競争を繰り広げ、今日の環境が創出されたからである。
そして、このインフラの普及により、ヤフー、楽天、価格ドットコム、DNAや最近何かと話題の多いライブドアといった企業が次々と創出され、既存の業界にインパクトを与え、社会環境が大きく変化してきた。
そして、今、さらに大きな変化が起きている。例えば、今日の天気、スポーツの試合結果、仕事、食事、バーゲン、映画、旅行といった情報を、いつ何処にいても確認できるモバイル環境は、驚く内容となっている。以前、米世界最大のタワーレコードが、経営危機に陥った背景に、アップルのステーブ・ジョブスが、「iPod」を売り出し、「曲を、ダウンロード」によって、顧客へのインターフェースの取り方を変えて、いっきに市場を掴んだ事が挙げられる。このケースが示唆しているように、モバイル市場は、インターネットを超える巨大な8兆5千億円といわれる大きなインフラといわれているが、情報のコンテンツによっては、既存のブロードバンドを打ち負かす存在が出現してくると思える。
最近、ソフトバンクの孫さんは、この大陸にターゲットを絞ってチャレンジしようとしているが、私共も昨年から、モバイルをキーワードにしたアントルプレナー達との出会いが増え、新たな事業をインキュベーションしている。
そして、これからの起業は、2010年~2015年頃の生活や仕事がどうなっているのかを考え、そこから今日を見るという発想が必要に思える。しかし、中には、仕組みだけに走り、いかに早く権利を取るかに固執している方がいるが、まずは、将来、生活やビジネス変化を予測し、そこにどうやって小さなモバイルの画面上で、必要な情報を狭い範囲に伝え、役立つシーンで事業を真剣に考えて取り組んで欲しく思う。
巨大なモバイル大陸への3社独占の規制が緩和された時、人の役に立つ発想で、本当に価値ある情報と1円の重みをしっかりと受け止め、愚直に現場情報を集め提供していく気力も体力も若いアントレプレナーが、次世代のヒーローになっていくのだと思える。
新たなマーケットに、夢と希望を持って、チャレンジしてもらいたい。

投稿者: 吉井 日時: 18:23 | パーマリンク