
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
第92回 「カリスマ」
2005年08月01日
カリスマという言葉を辞書で調べてみると、「神様からの贈り物」と書いてある。リーダーにはカリスマ性が求められるといわれる。仕事柄、これまで多くの経営者と関わってきたが、最近カリスマと思える経営者との出会いが少なくなったように思う。その背景には、子供の頃の偏差値教育や、IT社会の到来によって情報流通が発達し、オープンになり秘密がなくなり、誰でも平等に知識を得られるせいか、神秘的な知性や、感性を感じさせるはずの言語や知識に特異性がみられず、カリスマ性が維持できなくなってきたのかもしれない。
カリスマとは、人間の枠を超えた神秘的なものであり、人に脅威に思われたり、時には狂気を感じる凄みも持ち合わせているように思う。
例えば、著名な方なので、ご存知の方も多いと思うがワタミの渡辺社長は、カリスマ経営者の一人と思える。ワタミの起業までのプロセスをとってみても、なかなか凡人には真似の出来ない、発想、胆力、体力、行動力が備わったカリスマ経営者らしい創業時代である。
以前、知人のお好み焼きの店のオープンで初めて渡辺さんとお会いした際、鉄板焼きを囲んでいて、鉄板の熱さより、彼の語りが熱く、魂の炎の熱さを感じる思いがした。人の話を体で丸ごと真剣に受け止め、熱心に聞き、そしてYES/NOをはっきり言う。その後、何度かお会いしたが、ある時「渡辺さんに会いたいという人がいる」というと「いつでも直接来ればいい。真剣な話なら、僕はいつでも聞く」と爽やかな笑顔で答えてくれた。どんなに忙しくても、時間をとって約束を守りぬく人である。自分自身の思いをとことん追求し、魂の叫のような語りで、社員に自分の夢を語り、人を集め、思いに日付を入れて実行してゆく経営者はそうはいない。
カリスマ経営者には、自らの信じた世界観を持ち、人に緊張感を与える人が多い。そして、完璧でなく、一つのことに「よくここまで、こだわってやるものだ」と思える執念によって、人を巻きこみ、新たな世界に人を連れてゆく魅力を持ち合わせているように思える。【神様の贈り物】とは、人の気を集め、新たな世界を見せてくれるプレゼントなのかもしれない。ワタミの渡辺さんを髣髴させる、これからの時代の扉を開き、新たな世界を見せてくれるカリスマ経営者やカリスマサラリーマンとの出逢いを求めていきたい。

投稿者: 吉井 日時: 18:27 | パーマリンク