
大学卒業後商社を経て、1979年リクルートに入社。企業の事業戦略を推進する為の人材情報誌事業に携わり、新宿支社長をはじめ、首都圏の営業部長、新規事業開発部長を勤める。
現在は、日本初のヒューマンリソースを活かしたインキュベーション事業会社インターウォーズ株式会社の代表取締役。各企業の30を超える事業開発インキュベーションや自治体の新産業創出のアドバイザーや講演活動等を行っている。事業創造大学客員教授 ニュービジネス協議会理事
転職にあたり
2010年02月16日
過日、ブランド企業の40代半ばの方から、次のような相談をうけた。
「これまで順調に会社と共に自身も成長してきたが、昨今のパラダイムシフトによって、これからの自分自身の残された15年の仕事生活を考えると、果たして現状でいいのだろうか?と、疑問と不安を持ってしまった。日本の現状や業界や自身の企業の活力のなさの中で、コスト削減で、共にしてきた先輩や同僚が会社を退職していく姿をみていると、これからのキャリアイメージが湧いてこないこない。 業界以外で、いいところはないだろうか?年収は、できればこれからお金もかかるので今より上げたい」とのことであった。
「先々、あなたは、どんな目的を持って、何を実現したいのですか?」と、尋ねると言葉が返ってこなかった。今の職場にその辺が確認できるまで留まることを勧め、「年収を上げたいというのであれば、あなたの持っているすべての資源をアウトプットしてゆかないと難しい。また、業界を変えることは、もう一度様々なことを勉強しないといけない訳で、迎える企業はあなたに投資することになるのだから年収をダウンさせ入社に臨むスタンスが肝要だと理解した方がいい」とお話させていただいた。
仕事に対する目的をよく確認したうえで、迷いなく全力でその仕事に打ち込んでいかないと、結果的に転職を繰り返し、50代になっても自分の居場所探しをしてしまっているケースが多い。
目の前の山を登りきったら、360°周りが見える。皆、先々は不安を抱えている。先が見えないのは、自分自身が、先を見ようとする努力をしていないからであって、上司や会社のやり方が気に入らないとか、報酬が安いとか、仕事が向いていないとかなんだかんだと理由をつけて、今の職場から逃げ出して、楽な方へと転職しても、また次の職場でも同じことが起きる。
今の仕事に全力投球して、やり抜けばきっと新たな扉が開いてくると思う。
投稿者: 吉井 日時: 11:17 | パーマリンク
「19社」
2010年02月15日
この数字は、2009年にIPOした企業の社数です。
1980年以来の社数になってしまいました。私は、未来の日本の活力は、起業から企業にダーウィンの進化論のように、成長していくことにあると信じていますが、たいへん淋しい数値です。
しかし、そんな中にでも、医薬品、バイオ関連が最も多く6社、ITが3社となっているところに曙光を感じます。
IPOの最大のメリットは、市場から資金を調達し未来へのスピードを高め、古い産業から、未来の産業へと、人材も含めパワーシフトし雇用を創造していくことにあります。
閉塞感漂う現状の日本経済が活力を取り戻すためにも、一人でも多くの起業家の出現と、それを支援する関連企業が、地方を含め出現するように、国も企業も個人も、回復へ真剣に考え行動していかないと、本当に日本の未来はないことを、声を大にして言いたい思いです。
現政権に、本質的な富を創出する政策を期待したいが、それがムリだとしても、企業の成長の邪魔をするような税の負担や、規制をかけないで欲しいものです。
私は、起業家への投資やインキュベーション支援をすることは「信じる」ことだと思っています。
判断基準で大切なことは、自分で感じる未来のあり方に投資していくことにあると信じてこれまで、15年やってきました。
本当の意味で、パラダイムシフトが起こっている今、志を持った起業人が活躍できる時代を迎えたのではないでしょうか。ようやく、自立自律社会が到来し、一人ひとりが自分の信じる生き方と自己責任社会になり、競争と強調、そして、共創にそのキーがあるように感じてならない昨今です。
投稿者: 吉井 日時: 17:20 | パーマリンク
「信」
2010年02月01日
子供の頃から今日まで、この「信」という字が自分の名前の中に使われ書き続けてきているせいか、この字を使った名前に目がいく。特に戦国時代の武将に多い。
中でも織田信長は、その代表的な世の中を変えた武将だ。「人間50年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり。一度生を得て滅せぬ者のあるべきか」信長が好んだ「敦盛」中の一節だが、一度きりの人生、命ある限りこの肉体と精神のすべてを、「いま ここ」に集中して行動する生き様や気性が伝わってくる様に思う。
また、「this is it」とは、マイケルジャクソンのロンドン公演のタイトルであったが、残念ながら公演することなく、彼はこの世を去った。今「this is it」の事前練習や過去のコンテンツ編集DVDが爆発的に売れている。私も観てみたが、世界の人々を魅了し続けたマイケルジャクソンの心に触れた気がした。
事を成した人達に、今も昔も通じるのは、「限られたかけがえのない人生をどう生きるか。その為には、いまここJust do it で、集中し、明日は無い」スタンスで完全燃焼して、時を過ごしたのだと思う。
論語で孔子は国家安定するには「食・学・信」だと言っている。今、日本に足りないものは「信」なのだと思う。その「信」を持ったリーダーが出現してくることを願ってやまない。
投稿者: 吉井 日時: 16:09 | パーマリンク
第147回 「下村澄さん」
2010年02月01日
「人間学」を追求し、多くの人々に分かり易く様々な形で、「人間とは何か?」を伝えてこられた尊敬する生き方の師だった下村澄さんが、昨年の11月19日亡くなられた。
最初にお会いしたのはニュービジネス協議会の専務理事の頃で26年前になるが、以来論語を始め多くの事を教えていただいた。
12月21日、日本記者クラブプレスセンターホールにて、お別れの会に参会した際、改めて下村さんの「人生こそが最大の作品」と言っていた言葉が、目の前に広がった。
いつも笑みを絶やすことなく人を思いやり、心穏やかに、師と仰いだ安岡正篤先生の教えを実践しながら伝達する活動をしておられた。下村さんから、人の出逢いや人脈がいかに人生を豊かにも、淋しくもすることなのかを身をもって教わった気がする。
また、様々な言葉の力によって、生き方が変わり、人としてのいかに生きるべきかを幾度も聞かせていただいた。
会魔といわれる程、様々な会に参加され、私の顔を見つけると声を掛けていただき、今の時代観や、日本の未来や人々の心が荒れていることを、特に最近は憂いておられた。
そして、出版された書を何冊もお送りいただき、最近まで79歳とは思えないほど積極的に活動しておられた。
永い間、利害を超えたお付合いをさせていただき、私にとっては勿論のことだが、混迷を極めている日本にとっても、陽明学を説いた大きな星が亡くなってしまったことが残念でならない。
「今こそ、渋沢栄一氏のようなスタンスの人の出現が求められ、インキュベーションは大変重要な役割であり、雇用を創っていかないと日本は駄目になる」と今年の年頭に下村さんが語りかけてきた言葉が脳裏に残っている。
一人でも多くの人に、下村澄さんの残された書を読んでいただき、本来の日本人あり方が広がっていくことを願いたい。

投稿者: 吉井 日時: 09:00 | パーマリンク